17章 変則的な解決
変則性の定義
変則的な解決の2つの側面
声部進行の原則からの逸脱
根音進行が5度下行でない
変則的な解決の多様性
Ⅴ-Ⅵは偽終止としてよく使われる。
Ⅴ-ⅣはⅣを第1転回形にして、偽終止としてよく使われる。
Ⅴ-Ⅱはそのままだと稚拙だが、ⅡをⅤのⅤに変えればいっそう良好である。
Ⅴ-Ⅲはそのままだと良好でないが、ⅥのⅤとしてのⅢは解決先としてよく使われる。
2次ドミナントの変則的な解決
2次ドミナントでは、変則的な解決の可能性がやや少なくなる。
2次ドミナントはそれが一時的なトニックに解決して、やっと2次ドミナントだと認識できるため。
2次ドミナントが明らかに原調の和音へ解決すれば、変則的だったとしても2次ドミナントとして理解される。
ⅥのⅤ7からⅣへの解決は、Ⅳが調的に強いため正規の解決と同様に強力。
ⅢのⅤ7からⅠ、ⅤのⅤ7からⅢへの変則的な解決も同様。
ⅤのⅤ7からⅠへの解決は、Ⅰが終止の第2転回形の場合が多い。
ⅡのⅤからⅤ7への解決は、変位した主音が第2音度への導音となり、自然である。